健康保険と給与との関係

 
健康保険は、給与所得者の場合は次の3つのパターンになります。
 
政府管掌健康保険(中小企業の社員等)
組合健康保険(大企業の社員等)
各種共済組合(公務員等)
 
保険料は、各健康保険組合・共済組合ごとに異なります。
 

健康保険とは

 
健康保険の被保険者となれる人は次のとおりです。

健康保険・厚生年金保険に関しては、次の条件をすべて満たす者はパートタイマー等であっても原則として、被保険者となります。保険料は「健康保険料額表」及び「厚生年金保険料額表」に基づき、被保険者負担分を賃金から控除されます。
 
1.1日又は1週間の労働時間が正社員の概ね3/4以上であること。
 
2.1ヶ月の労働日数が正社員の概ね3/4以上であること。
 
すなわち、パートタイマー等の健康保険・厚生年金保険の適用・未適用は次の通りとなります。

1日当りの労働時間 1ヶ月当りの労働日数 適用・未適用
正社員の概ね3/4以上 正社員の概ね3/4以上 適用
正社員の概ね3/4以上 正社員の概ね3/4未満 未適用
正社員の概ね3/4未満 正社員の概ね3/4以上 未適用
正社員の概ね3/4未満 正社員の概ね3/4未満 未適用 

 

健康保険の適用除外

 

・船員保険の被保険者

・1か月以内で日々雇い入れられる人

(ただし、1か月を超えて引き続き使用される場合は、その日から被保険者となる)

・2か月以内の期間を定めて使用される人

(ただし、所定の期間を超えて引き続き使用されるようになった場合は、その日から被保険者となる)

・4か月以内の季節的業務に使用される人

(当初4か月以内で使用される予定であったが、業務の都合により継続して4か月以上使用されることになった場合においても被保 険者とならない)

・6か月以内の臨時的事業に使用される人

 

健康保険の標準報酬月額・標準賞与額

 
 健康保険の保険料として控除する金額は、標準報酬月額および標準賞与額に応じて決まり、被保険者と会社とで折半となります。健康保険料は、次のように求めます。
 
健康保険料=標準報酬月額(または標準賞与額)×保険料率
 
※保険料率は各制度ごとに異なります

 

標準報酬月額の定義・意味

 
標準報酬月額は、健康保険の保険料の算定に欠かせないものです。

標準報酬月額とは、被保険者が事業主から受ける給与などの報酬を所定の方法で区切りのよい幅で区分した報酬月額にあてはめたものをいいます。

標準報酬月額は、第1級から第47級までの全47等級に区分されています。

 

標準報酬月額を算定するのに必要な標準報酬月額表(保険料額表)は、日本年金機構のホームページで公開されており、ダウンロードすることもできます。
 

報酬の範囲

 
 ここでいう報酬は、賃金、給料、俸給、手当(通勤費、残業代など)、賞与、その他どんな名称であっても、被保険者が労務の対償として受けるものすべてを含みます。

ただし、大入り袋や見舞金のような臨時に受けるものや、年3回以下の賞与は含まれません。
 

標準報酬月額の決定方法(決定時期)

 

標準報酬月額の決定方法(決定時期)には次の3種類があります。
 
●資格取得時決定(被保険者となったとき 入社時)

●定時決定

●随時改定(被保険者の報酬が大幅に変動したとき)
 
 
1.資格取得時決定(被保険者となったとき 入社時)

対象者

この決定方法の対象者は、新規に被保険者の資格を取得した人です。

内容

入社時の固定報酬と変動報酬の見込み額から標準報酬月額を決定します。

 

2.定時決定

対象者

この決定方法の対象者は、7月1日現在の被保険者です。

内容

被保険者が事業主から受ける報酬は、昇給などで変動します。

そこで、毎年1回、決まった時期に標準報酬月額の見直しをすることとしており、これを定時決定といいます。

※そのため、事業主は、毎年7月「被保険者報酬月額算定基礎届け」を提出します。

4月・5月・6月に受けた報酬の平均額を標準報酬月額表にあてはめて、その年の9月以降の標準報酬月額を決定します。

途中で随時改定などに該当しなければ、翌年の8月までの標準報酬月額となります。

 
3.随時改定(被保険者の報酬が大幅に変動したとき)

対象者

この決定方法の対象者は、基本給などの固定賃金が変動し、標準報酬月額が2等級以上変わった人です。

内容

 被保険者の標準報酬月額は、原則として次の定時決定が行われるまでは変更しません。

 しかし、報酬の額が著しく変動すると、被保険者が実際に受け取る報酬の額と標準報酬月額がかけ離れた額になります。

 そこで、標準報酬月額が2等級以上変動し、基本給与が変動したなどの要件を満たした場合には、随時改定により、標準報酬月額を算定しなおします。

 時間外手当等の状況によって、毎月の給与に多少変動があっても、標準報酬月額が変わらない限り健康保険の保険料額は変わりません。

 

標準賞与額

 
 賞与の金額の1,000円未満の端数を切り捨てた額で、上限は年間累計額540万円(毎年4月1日から翌年3月31日までの累計額)が上限となります。

 

控除の時期

 
健康保険の保険料を控除するには2つの原則があります。(当月控除方式の場合は当てはまりません)
 

原則1 当月の給与から前月分の保険料を控除する
原則2 退職した月の前月分まで負担する(退職した月の分は原則不要)

 
入社(5月に入社した人)

・5月支給の給与

4月は被保険者ではないから、保険料を控除しない。

・6月支給の給与

5月分の保険料を控除する。
 
退職

退職者の場合、健康保険の資格喪失日は退職日の翌日となります。

・7月31日に退職する人

 資格喪失日は8月1日となるので、7月分の保険料を負担する必要があります。7月支給の給与から6月分と7月分の2か月分の保険料を控除します。

・7月30日に退職する人

 資格喪失日は7月31日となるので、7月分の保険料を負担する必要はありません。 7月支給の給与から6月分の1か月分の 保険料を控除します。
 
賞与

賞与支給前後に退職する場合も注意が必要です。

・賞与支給日が7月10日で、7月31日に退職する人

 資格喪失日は8月1日ですので、7月分の保険料を負担する必要があります。7月支給の賞与から、保険料を控除します。

・賞与支給日が7月10日で、7月25日に退職する人

 資格喪失日は7月26日ですので、7月分の保険料を負担する必要はありません。7月支給の賞与から、保険料は控除しません。

 

育児休業中は免除される

 

育児休業を取得したときは、申請すれば、健康保険や厚生年金の支払いを、育児休業中は全額免除されるようになりました。

免除の内容は下記のようになっています。
 

1)育児休業したその月から免除対象となります。

2)今までは、子供が1才になるまでが免除期間の上限でしたが、これが3才になるまでに延長されました。

3)免除期間は、育児休業が終了する月までの全ての期間が含まれます。

4)育児休業中の保険料免除期間は、保険料を払っていたものとみなされ、保険による診察を受けることができ、将来受け取る年金の給付額が減額されることもありません。

5)免除期間中は、本人だけでなく、会社の負担分も免除されます。

6)育児休業が終了し、給料が下がった場合は、休業終了後3カ月間の給料の平均額に対する保険料を、納めることになります。
 

 また、給料が下がった期間であっても、育児休業前の給料をベースにした、保険料を納めているものとみなされます。

 いわゆる給料が下がって安い保険料を収めていても、給料が下がる前の高い保険料を、納めていたものとみなしてくれます。

 ただし、上記の2つの優遇は、子供が満3才になるまでで、それ以降は通常の保険料の計算方式に戻ることになります。

 

お問い合わせは佐伯社会保険労務士事務所まで

 



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