懲戒処分

 懲戒処分については、労働基準法第89条第9号により、「制裁の定めをする場合においては、その種類および程度に関する事項」を定めていない場合には、同条違反となります。
 
 また、判例において、懲戒処分について、使用者は規則や指示・命令に違反する労働者に対しては、「規則の定めるところ」により懲戒処分をなし得ると述べられていることから、就業規則に定めのない事由による懲戒処分は、懲戒権の濫用と判断されることになります。
 

懲戒の事由

 
 懲戒の事由については、法律上では、特段の制限はありません。ただし懲戒の事由に合理性がない場合には、当該事由に基づいた懲戒処分は、懲戒権の濫用と判断されることになるものと考えられています。

 懲戒処分の種類については、それぞれの会社事業場の都合に応じて公序良俗に反しない範囲でその種類を定めることが可能です。

 減給処分については、就業規則で、減給の制裁を定める場合において、その減給は、1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならないこととされています(労働基準法第91条)。

 懲戒解雇については、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」(労働契約法第16条)
こととされています。

 懲戒の対象者に対しては、規律違反の程度に応じて過去の同種の事例における処分の程度等を考慮して誰に対しても公正な処分を行うことが必要となります。

 判例では、使用者の行った懲戒が公正な処分でないと認められる場合には、当該懲戒処分について、懲戒権の濫用として、無効と判断されています。

 また、懲戒規定が設けられる以前の行為に対してさかのぼって懲戒処分をすることや、1回の懲戒事由に該当する行為に対して繰り返しの懲戒処分を行うことはできないとされています。
 

懲戒解雇の事由

 
懲戒解雇の事由について、大別すると、
 
●経歴詐称
●職務懈怠
●業務命令違背
●業務妨害
●職場規律違反
●私生活上の非行等
●誠実義務違反
 
が主なものになると思われます。
懲戒事由を検討するときは、これらの分類から行うものと思います。

 しかしながらそれらをすべて網羅的に規定することは困難であるため、懲戒解雇の事由の中に包括条項の規定を置くことはやむを得ないことと思われます。
 
 懲戒解雇に際しての労使間のトラブルを防止する観点からは、他の懲戒解雇の事由をできる限り明確かつ網羅的に規定し、包括条項が適用される範囲をより限定することが必要と考えられます。
 
 

お問い合わせは佐伯社会保険労務士事務所まで

 


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