不当解雇・解雇権乱用

不当解雇と判断されるものとしては、例えば以下のようなものが挙げられます。

・女性であることを理由としたもの
・解雇予告を行わないもの
・解雇予告手当を支払わない即時解雇
・労働者の国籍、信条、社会的身分を理由としたもの
・業務上の負傷や疾病のための療養期間及びその後30日間の解雇
・産前産後休暇の期間およびその後30日間の解雇
・労働基準法やそれに基づく命令違反を申告したことを理由としたもの
・労働組合に加入したことなどを理由とするもの
・不当労働行為を労働委員会等に申し立てなどをしたことを理由とするもの

また、概念的に言うと

「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合の解雇」

も不当解雇ということになります。
 

合法的な解雇事由

 

能力不足

 

解雇される者に「今後、教育訓練などの機会を与えたとしても一般社員の平均に達すること期待するのは困難な場合」にのみ認められることになります。
つまり、

いま現在能力が足りないだけでは解雇できない。
今後どんな教育訓練を施したとしても、どこに配置転換したとしても能力が発揮できないことを会社が証明できなければ不当解雇となる。

ということになります。
 

経歴詐称

 

学歴や職歴を偽ったり犯罪歴を隠したりしたことが発覚して解雇されるケースは結構多く、裁判例でもこれを認める傾向にあります。
労働契約における会社と労働者の信頼関係は重く見られるものと思われます。
 

職務懈怠(けたい)

 

遅刻や無断欠勤などを理由としたものは、より軽い懲戒処分(厳重注意、減給、降格など)を経たうえで、それでもなお改善されない場合にのみ有効ということになります。
 

会社の業績不振

 

リストラなどいわゆる整理解雇を行う場合は、次の4つの要件(要素)を総合的に勘案しなければならないことになります。
 

[1]人員削減の必要性
ほんとに社員を解雇しなければ会社がつぶれるのか

[2]整理解雇の回避努力義務の履行
希望退職者の募集、減給や賞与カットなどの別の方法を解雇する前に実施したか

[3]被解雇者選定の妥当性
選定された社員を解雇することに対して合理的な理由があったか

[4]手続きの妥当性
きちんと解雇理由を説明し、解雇される社員の納得を得たか

 

その他、
試用期間を設けた契約や内定もひとつの雇用契約になるため、同様の要件が必要となります。
上記を無視して試用期間中に契約解除や内定取り消しが行われれば、不当解雇になり得ることになります。
 

解雇権濫用の法理

 

 民法の規定によると「当事者が雇用の期間を定めなかったときには、各当事者はいつでも解約の申し入れをすることができる」(民法第627条1項)ということであり、「当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは各当事者は直ちに契約の解除をすることができる」(民法第628条)と定めています。

つまり、使用者は、原則としては、解雇が自由にできることになっています。

しかし、自由にできるといっても、民法、労基法等の法律の規定に違反する場合には無効であります。また「解雇権濫用の法理」に反する場合には無効とされます。

「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」(労働契約法第16条)

これは、いままでは判例法理として認められてきた「解雇権濫用の法理」を、そのまま条文化したものです。

この条文の中には、2つのポイントがあります。
(1)客観的に合理的な理由を欠く場合
(2)社会通念上相当であると認められない場合

解雇権濫用が成立するためには、いずれかでも該当すれば、解雇権濫用が成立するということになります。

「客観的に合理的な理由」とは上記不当解雇のところで述べた「合法的な解雇事由」がそれにあたります。

「社会通念上相当であると認められない」とは解雇理由は確かに存在するが、解雇にする程の程度には値しない、それは行き過ぎであるという意味です。

 

お問い合わせは佐伯社会保険労務士事務所まで

 


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