長時間労働と安全配慮義務違反

長時間労働と使用者の安全配慮義務違反は、大きな因果関係が存在します。
 

使用者の安全配慮義務

 
 平成20年3月に施行された労働契約法第5条は、「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。」と、使用者の労働者に対する安全配慮義務(健康配慮義務)を明文化しています。

 危険作業や有害物質への対策はもちろんですが、メンタルヘルス対策も使用者の安全配慮義務に当然含まれると解釈されています。

 労働契約法には罰則がありませんが、安全配慮義務を怠った場合、民法第709条(不法行為責任)、民法第715条(使用者責任)、民法第415条(債務不履行)等を根拠に、使用者に多額の損害賠償を命じる判例が多数存在します。最も有名な事例を紹介します。
 
事例 電通事件
最高裁判所第二小法廷 平成12年3月24日

【概要】

Bさんは、24歳で電通に入社した。ラジオ局に配属され企画立案などの業務に携わっていましたが、長時間残業・深夜勤務・休日出勤などの過重労働が続いた結果、うつ病になり、自宅で自殺を行った。

【裁判の結果】

下記の内容で合意に至りました。
(1)会社は遺族(両親)に謝罪するとともに、社内に再発防止策を徹底する
(2)会社は一審判決が命じた賠償額(1億2600万円)に遅延損害金を加算した合計1億6800万円を遺族に支払う
 

使用者は、安全配慮義務とならんで健康配慮義務を疎かにすると、高額の損害賠償金を請求されることになることになります。会社のリスク管理を真剣に対応しなければ、企業存続に関わる問題であると言えます。
 

長時間労働

 
長時間労働とは、どれくらいの時間を言うのでしょうか。労働安全衛生法では、
 
 「事業者は、労働者の週40時間を超える労働が1月当たり100時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められるときは、労働者の申出を受けて、医師による面接指導を行わなければなりません。(ただし、1か月以内に面接指導を受けた労働者等で、面接指導を受ける必要がないと医師が認めた者を除きます。)」
 
「長時間の労働(週40時間を超える労働が1月当たり80時間を超えた場合)により疲労の蓄積が認められ、又は健康上の不安を有している労働者(申出を受けて実施)に対し、面接指導を実施する、又は面接指導に準ずる措置を講じるよう努めなければなりません。」

となっています。

 

労災認定基準の長時間労働

040325-15_ページ_06

 

お問い合わせは佐伯社会保険労務士事務所まで

 


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